ブログネタ
四国遍路 に参加中!
 2007年8月11日午後10時10分、およそ3時間をかけて、京都を出発した高速バスはJR徳島駅前に到着した。

 
 バスが徳島市街に入った時から、なんともいえない気持ちが込み上げてきていた。3ヶ月前に別れを告げた市街地の景色は、まだ記憶に新しい。宿を探して街の中を途方に暮れながら歩き回った徳島での最初の夜を思い出していた。

 (また、此処に帰ってくることができたんやな・・・。)

 独りよがりの感慨にはちがいないだろうが、市街地の景色が「おお、戻ってきたか・・・」と温かく迎えてくれているような気がした。


 バスの乗務員に切符を渡し、下車。再び徳島の大地を脚で踏みしめることができたのだ。うれしくて感動した・・・・、と言いたいところだったが、感動よりも腹の虫が鳴っていた。京都を発つ前に食事らしい食事をとる暇もなかったのだ。バスに乗る前に菓子パン一個しか口にしていなかった。

 (とりあえず、宿に入って、なんか食べにいかなあかんな。)

 荷物を背負って夜の市街地をまっすぐ南へ歩いた。行き先は5月の時にも利用した、あのカプセルホテルである。3ヶ月前の失敗にも懲りず、また碌に宿の予約もせずに四国入りしたのだ。当然、次の日からの宿も予約なんてしていない。成り行き任せで気ままに行こうという、どうしようもないぐうたらな性分は直らないのかもしれない・・・(笑)。

 新町橋を渡って、眉山の手前にある阿波おどり会館が見えてきたあたりから、

 (・・・どやったかな?)

 と脚を止めてしまう。5月にあれほど歩き回った徳島市街だから、歩いていればカプセルホテルの場所は自然に思い出せるはずとタカをくくっていたのだが、ここにきて記憶への不安がよぎった。阿波おどり会館の手前の大通りを左に曲がればよかったのではないか・・・、曲がったすぐのところだったんじゃないか・・・。
 
 とりあえず、大通りを左に曲がったがどうやら見当たらない。うーむ・・・。

 何気に頭陀袋(納経帳や参拝の道具一式を入れていたもの)に手をいれて中を探っていると・・・。

 (あった!!入っててよかった!!)

 それは徳島市街の詳しい地図だった。3ヶ月前に宿探しをしている時に観光案内所でもらったものだ。あれから頭陀袋に入れたままだったのだ。こういう時を予期して入れたままにしておいたというよりは、出すことすら忘れていたと言ったほうがいいかもしれない・・・。

 地図を見ると左に曲がったところまでは正解だったが、更に歩いて大きな県道を一つ渡ったところにカプセルホテルがあったのだ。なにはともあれ、助かった。ヘタをすればまた5月の二の舞になっていたかもしれなかった。自分のぐうたらさが吉と出たというか、これも御導きのおかげかもしれないと感謝した・・・。