新年明けましておめでとうございます。

 ブログを始めて、およそ2ヶ月半が経ちましたが、今まで少しでもブログに目を通してくださった皆様に改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして、これからも、どうかよろしくお願いします。


 年末年始もおかげさまで無事に穏やかな時間を過ごすことができました。これも周りの皆様のおかげです。正月休みになると、毎年のことながら、どうしてもグウタラな性分というものが顔を出してしまいます。「いけないな」とは感じながらも、ついつい周りの方々の好意に甘えてしまう自分がいました。本当に周りの皆様には感謝いたします。


 大晦日は帰郷していた兄と甥と3人で、東山の八坂神社に年越しの初詣に行ってまいりました。やはり例年どおり、沢山の参拝客の方で四条通りは埋め尽くされていました。数年前までは、この人ごみが苦手で、混雑する時間を避けて初詣をしていましたが、最近は「この人ごみこそ、年に一度の風物詩」と感じることができるようになり、心の中に余裕もでてきました。やっぱり歳なんでしょうかね・・・(笑)。成長したってことでしょうね。神社の正門前の交通規制で人ごみはなかなか前に進まず、不本意ながら!!人ごみの中での年越しとなりました。たまには、こういう年越しもよいものかもしれませんね。時計が午前0時を指した時のあの群集の盛り上がりがよかった!!


 翌日は兄夫婦と甥と4人で、実家から歩いてそう遠くない吉祥院天満宮へ参拝し、更に脚を伸ばして東寺(教王護国寺)へ。東寺には毎年初詣させていただいていますが、昨年から四国遍路をはじめたということもあり、今年は例年とは違った気持ちで参拝させていただきました。東寺というお寺の存在が僕にとっては身近なものになったからでしょう。それまでは「弘法大師の御寺」という敷居の高いイメージがあったのですが、今では「お大師さまのお寺」という本当に身近な存在、心のよりどころとなったのです。改めて、こんな立派なお寺のある京都という場所に住んでいることに幸せを感じると同時に、東寺へ初詣をはじめてからというもの、お大師さまはずっと僕を見守っていてくださったのではないかと思うのです。そして、時期をみて四国に呼んでくださったのではないかと。「御縁」は実はずっと以前からあったということなんでしょうね。
 正月の東寺は、がらくた市などもあったりして、いつもながら参拝客が多い。賑やかな雰囲気でした。このお寺が如何に日本屈指の古寺であり、また、人々のお大師様への信仰心が如何に厚いかということを改めて感じました。
 1日から3日までの期間は五重の塔の初層(一階)が公開されます。五重の塔へは昨年の正月に初めて中を拝観させていただいたのですが、今年は時間の都合上、僕は拝観しませんでした。それよりも、金堂と大師堂に時間をかけて参拝したかったのです。四国と同じように御本尊に、そして昨年の遍路を見守ってくださったお大師様に、ゆっくりと対面したかったのです。兄夫婦達と別れて、南大門を入って左手にあるお大師様の像に、まずはお参りさせていただきました。
 
 「昨年は色んなことを教えていただいて、ありがとうございました。今年の遍路もどうか見守ってください。」

 それから金堂へ行き、御本尊の薬師如来様に手を合わしました。四国の札所と同じ作法で一通りの参拝を終え、改めて御本尊のお姿を拝見しましたが、これまで以上に、その立派なお姿に暫く見惚れてしまいました。
 
 そして、大師堂へ。金堂の時と同様、ここでも四国での作法で参拝させていただきました。本当に、ここはお大師様を身近に感じられる場所です。昨年の感謝の気持ちがどうしても溢れてくるのでした。まだこれからの遍路の旅は先は長いとはいえ、23番薬王寺まで歩いた阿波の国の札所を巡る遍路の旅は未熟な僕にとっては大変なものでした。つらく厳しい山道もあった。平坦だけど、長い長い道程もあった。その都度、しんどいと思ったり、イライラしたり、ほとんどの時間は荒れた気持ちの自分との戦いでした。戦いと思えば思うほど、ますます気持ちは荒んでいったのですが、そんな時に必ず自分を諭してくれる何かに出会いました。「戦わなくてもいいよ。こだわらなくてもいいよ。」そんな声がどこかから聞こえてくるかのようでした。そんな声に助けられて僕はつまらないことにこだわっていた小さな自分に気づかされ、心のやすらぎを得ることができたのです。遍路に限らず、日常の生活に於いてでも。遠くから見守って下さり、沢山のことを教えて下さったお大師様。本当にありがとうございました。

 東寺というお寺は、お大師様の心の宿る御寺です。高野山は修行の場、また御入定された聖域です。この東寺は、お大師様が「行動」「実践」された場所なのです。
 このような御寺の近くに住んでいるという「御縁」を改めて有り難く思いますし、これからも心のよりどころとして、今まで以上に参拝に訪れたいと思いました。


 今年も、予定していても、どうしても四国に行けない時もあるでしょう。「お呼び」がかからなかったと思い、執着をすてて次の機会を待つということにもなるでしょう。そんな時には東寺に行けばよい。今更ながら、そうすればよいのだと気づかされました。またお大師様が教えてくださったのかもしれませんね。今年の最初のお大師様の声を聞くことができました。いい新年を迎えられたと思います。皆様にもよい新年でありますように。